居酒屋『初陣』

今日11月11日でチャリティーランチ営業が終了となります。チャリティーの集計等々は後日報告させていただきます。

そして今日この日より、またボチボチと『小説もどき』なんぞをと。

随分温めていた題材を創りながらアップしていきます。

お付き合いいただけます方、どうか最後まで温かく見守っていて下さい(__)

では、第１話です。




『鮭と熊』




隣で眠る彼女の寝顔を眺めながら、ボーッと考えていた。

このままこの子と結婚生活を送り、子供ができて、家を買って、また子供ができて…。

『極々ふつう、それが一番幸せなんじゃないかな。』

僕の口癖だ。

これがプロポーズの言葉の一部だったのかもしれない。

そんな僕の口癖通りになる、はずだった。

しかし、翌朝すべてが打ち砕かれた。



極々ふつうに郵便屋さんが二通のハガキを持ってきた。

『これ、国からの重要な通知らしくて…受け取りサインいるんです。』

そんな大層なものって…

そう思いながらも別に気にする訳でもなくサインをして受け取った。

しかし、夫婦で別々に通知って何だろう？

そして裏を見て唖然とした！

あなたは『アナログ人間』と認定します。

あなたは『デジタル人間』と認定します。

前者は僕に、後者は彼女に。

要はこうである。

アナログ人間は日本国の西側に、デジタル人間は日本国の東側に定住すること。

アナログ人間はアナログ社会でアナログ生活を営む。

デジタル人間はデジタル社会で先進国日本を世界No.1の国にするために生活する。

日本国を二分し、世界に通用する強いデジタル人間社会『日本』を創る。

まぁそんなとこだ。

ちょっと待て、まぁそんなとこだなんて言ってる場合ではない！

これからの社会に必要のないアナログ人間、いわゆるデジタル化社会に馴染めていない昔人間は必要ないって訳か！！

『こんなの通る訳がない！』

『第一…』

そう言いかけた時、彼女の口からは意外な言葉が飛び出した！