2009年12月21日

『パンジー』(第2話)

ある日、外回りもそこそこにいつもの『喫茶サボテン』で不味いコーヒーと小説のお決まりセットで時間潰し。

そこに現れるはずのない『スッポン』こと川中先輩が…。

言葉を失っていると、おいおい俺が来ちゃマズいのかい?ここのコーヒーみたいに!

あっけらかんと隣に座り『ホット』と一声。

そしていきなりこうだ。

単刀直入に言うが…お前、エリア分けが原因で成績が伸びないなんて思っていないだろうなぁ?それは違うぞ。

ポカァ〜ンと目を丸くして聞いていた。

先輩が言うにはこうだ。

僕が今担当しているエリアは先輩から引き継いだのであるが、実は担当替え直前には本格的に成果が出るという所まで漕ぎ着けていたと言うのだ。

先輩の声に力が増してくる。

このエリアは俺が担当するまでは『魔のエリア』と称され誰が行っても開拓できない、いわゆる『ハズレ』エリアだった。しかしそれを俺がもう一歩の所まで開拓していたのに、会社はどうしてお前に引き継がせたのかわかるか?

言葉を失った。

『魔のエリア』と言う事は社内の噂や実際に外回りの風当たりにより肌で感じている。

しかし…会社は…僕が『魔のエリア』に飲み込まれて辞めていく事を望んでいるのか?
よっぽどのプラス思考でもって期待されていると考えるのか?

普通に考えれば前者が明らかだが。

そしてさらに『スッポン』が自信満々の一言を。

『魔のエリア開拓には秘策がある、知りたいか?』

☆第3話に続く☆



Posted by ういじん at 02:11│Comments(0)
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